こんにちは燦です。今回はCVP分析です。
事例Ⅳで毎年出題されているCVPってやつか。一体何なの?
Cost-Volume-Profit(CVP) Analysis!
そのまま訳して費用数量利益分析。
損益分岐点の話が多いですが、損益分岐点はBreak-Even Point(BEP)です。
なので、こういう解釈かと思います。
利益全般的な分析
BEP分析
損益分岐点の分析
まぁそんなことはどうでもいいんです。大事なのはCVP分析が出来ないと試験に落ちるということです。
出来ないと落ちてばっかりじゃな。
もちろん商売する上でもむちゃくちゃ重要ですし、実務でも普通に使えます。
私も自社とか事業とか経営支援先とかガンガンBEP分析使ってますよ。
ってことで早速いきましょう!
CVP分析に使うたった一つの式
覚えてもらうのは、この式だけです。
「 売上-変動費-固定費=利益 」
これだけ?っていうか知ってるし。
はい、これで全部解けます。だってこれ以上の要素ありませんから。
シンプルなのね。
図にするとこうですよ。
それで、どれを求めるかが問題になるだけです。
よく聞かれる損益分岐点売上高(BEP)は⑤の場合じゃね。
BEP売上-変動費-固定費=(利益)0
はい、それで変動費は「売上」に比例して変動するわけですから、こうも書けますね。
BEP売上-(変動費率×BEP売上)-固定費=(利益)0
あるいは、売上=販売単価×販売数量(Q)なので、こうとも書けます。
全体金額ではなく単価だけがわかっている場合は、Qの式の方を使えばいいんじゃね。
そうです。青枠の式は少し変形されましたがどちらも非常に使えます。でもベースは全部最初の式です。
兎に角、求めたい部分をXなりにして計算するだけです。X以外は全て数字が与えられているはずですから。
損益分岐点を求めるなら利益は0ですが、利益を100出すには販売単価はいくらにすればよいか?と聞かれれば…
を解くだけ。
X以外のところは問題文に情報があるというわけじゃな。
限界利益と損益分岐点比率
あと限界利益という言葉があります。
これですね。
売上-変動費の部分が限界利益です。粗利ともいいますよね。
もちろん知っておるとも。図をみたまんま限界利益=固定費+利益ともいえるね。
まあ限界利益とかただの名称ですので、何でもいいんですけど便利なのでよく使います。固定費と深い関係にありそうですね。
で、これが損益分岐点比率と安全余裕率ですね。
うむ。よく問われる比率じゃね。
なんてことないですよね。損益分岐点売上高と売上高がわかればただの割合の話ですから。
分数にすれば良いだけだし、何も難しいことはないな。でも1つの式から展開して解くのは効率悪くない?
色々な公式だけを覚えるのはごっちゃになってあまり好みません。自分が意味を理解している1つの式から展開していくのが理想です。
もちろん何十回とやる内に脳が勝手に面倒な工程を省略/効率化していくでしょうから。
自分で便利な公式を生み出していけばいいんですよ!
式に数字を当て込んでいくわけだけど
さて、ベースの式自体はシンプルなわけですけども、なかなか固定費や変動費の数字を素直には渡してくれないわけです。
うむ。
カレーの作り方自体はシンプルだけれども、材料を一つ一つ手に入れるのに試練があるって感じじゃね。
一番素直なのはP/L諸表から取り出していくパターンです。実務でもそれで済みます。(項目数はめっちゃ多いけど)
素直じゃないパターンをまとめておきましょうか。
固定費と変動費がごっちゃに振り分けられています。決して販管費=固定費、製造原価=変動費ではないので注意。
②値上げ等の発生
材料費が値上げされたり、様々な固定費が上がったりします。変動費の場合は、値上げや値下げをされた上で、さらに売上に連動して変動する点に注意。
③設備投資がある
必ず減価償却費つまり固定費が増加している。残存価額や償却方法を加味して年間の費用を算出。
④固定費や変動費率が数量に応じて変化
例えば1000kg販売までは固定費100万円だが1001kg販売からは従業員を1人増やして固定費200万円になるとか。材料費率が100個までは50%だが、101個からは40%にしてもらうよう交渉しているとか。令和2年度の事例Ⅳ では変動比率が変わる問題が出題されました。次は固定費変化(固定なのに変化とはややこしいですが)に警戒した方がいいと思われます。
⑤グラフ推測
断片的な情報、例えばある月とある月の変動費と固定費の2データ与えられて、変動費率と固定費を計算で求めさせる場合。後述。
⑥セールスミックス
異なった商品を一定の割合で販売する場合。例えばA品、B品を1:2の割合でセット販売するなど。全部をまとめて販売した一つのパッケージ商品としての限界利益等で算出すればOK。
⑦条件付き販売/生産
例えばA品、B品でA品の方が儲けられるが、B品の方が受注が多いとかB品の方が生産しやすいとかいう条件。利益が最大になるよう時間当たり利益などで考える。
一つ一つ例題をやりたいところですが…、長くなりすぎるのでとりあえず⑤グラフ推測だけやっておきましょうか。
CVP分析はグラフと相性◎
グラフ推定?
損益分岐点分析は本来グラフが必要です。試験では求められなければ不要です。
見たことありますよね?こういうやつ。
も、もちろんあるとも。
売上線と費用線が交わるところが損益分岐点で、それより売上が増えると営業利益がどんどん増えていくのがわかると思います。
右にいけばいくほど売上線と費用線の差が開いていくからね。当然じゃね。
じゃあグラフの書き方をおさらいしておきましょう。
横軸を売上、縦軸も売上にするので、当然横軸が100なら縦軸も100、横軸が400なら縦軸も400です。これが売上線です。
縦軸に費用もご一緒させてもらって、固定費線を書きます。固定費(F)は固定なので売上が増えても一定のままです。
固定費(F)の上から変動費線を書きます。売上が増えるほど材料費とかも比例して増えますのでこうなります。
変動費線の傾きが変動費率です。変動費率が高いほど傾きは急になります。変動費率100%なら売上線と同じ傾きになっちゃいますね。
さて、ここからグラフの活用です。このグラフに条件(線)を足したりして視覚的に色々分析も出来るんですが、一つだけ覚えるとしたらこれでしょうか。
売上260の時に総費用300(利益△40)
売上500の時に総費用420(利益+80)だった。
損益分岐点売上高を求めよ。
まぁ、S-変動費率S-固定費=0 を解くだけじゃろ。
えーと変動費率と固定費はどこ…?
2つデータが与えられてますよね。
そしたら点と点を繋ぐだけで、固定費と変動費率もわかります。
縦軸の切片が固定費で、緑の線(変動費線)の傾きが変動費率です。
◆変動費線の求め方
Y=aX+b(緑の線|aが傾き|bが切片)に データをぶちこむ。
データ1 300=a260+b
データ2 420=a500+b
これを解くと a=0.5 b=170
つまり緑の線は、Y=0.5X+170
0.5が傾きなので、変動費率は0.5 (50%)
170が接点なので、固定費は170
固定費と変動費率さえわかればこっちのもんじゃ。
S-変動費率S-固定費=0
S-0.5S-170=0
0.5S=170
S=340
損益分岐点売上高は340じゃ!
ほい正解です。簡単過ぎましたかね?でも線が増えようが、線が屈折しようが基本はこれですよ。
おまけ
データが多数与えられる場合があります。
その時に、一番高いのと一番低いを繋ぐのが高低点法です。
全部の平均らへんの線を計算するのが、回帰分析法(最小2乗法)です。
高低点法は知っておいた方がいいと思いますが、回帰分析法は気になれば調べて見て下さい。たぶん診断士試験には出ないと思います。おそらく。勘だけど。診断士試験ってほらそういうあれじゃないから…。
出ないことを祈ろう。しかしあれじゃね。
皇帝天鳳とか輪廻転生法とか名前かっこよすぎじゃろ。
輪廻転生法とか誰も言ってないから…。
【memo】回帰分析法(最小二乗法)の結論だけ
傾きa: XY共分散 / X分散
切片b: y=ax+b (y平均値, x平均値, 上で求めたaを代入)
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