こんにちは燦です。令和3年二次試験、事例Ⅳについて模範解答UPです。
ちゃんとした解答?
はい。間違ったままの解答を載せておいても仕方ないですしね。
改めて解き直しました。
えらそうなこと言ってた割には結構間違えてるやつね。
時間制限があるとほんと難易度がぐっと上がります…。
解答
ゆっくり落ち着いてやると結構簡単…。
でもこれを簡単と捉えるのは間違いですね。
本番とのギャップを相当加味しないとあかんわな。
第1問 経営分析
これに関しては、最初の解いた内容と変更ありません。
絶対確実に25~30点獲得しましょう。
(設問1)
まずいつものように経営指標をパパパっと計算して…
※実際は↓こんな適当なメモレベルで充分
今回は、優れている指標2つ、劣っている指標2つの計4つでしたね。
とりあえずいつものように安全性、収益性、効率性から考えます。
【安全性】
まず流動比率や当座比率は無いですね。
数字上の差異はありますが、その原因が他社の「その他流動資産」や「その他流動負債」が主体です。
つまり原因不明です。答えに選ぶなよ感がビンビン伝わってきます。(作問者の易しさです)
逆に自己資本比率は他社と比べて全然ダメだし、かつその原因が明らかにD社の「長期借入金」と「内部留保の少なさ」によるものです。
というわけで劣っている指標の1つは自己資本比率です。
もちろん負債比率でも可です。
※数学的に同じ指標なので当サイトでは自己資本比率としか答えません。
【収益性】
パッとみてラッキー!と思いました。
最重要指標の総利益率が優れているにもかかわらず、営業利益率等が劣っているからです。
つまり収益性から、優劣どちらの指標も拾ってこれそうです。
過去問ではこの矛盾に対して、優劣どっちを拾うか悩むことが多かったですが、今回4つの指標を選べということでどちらの目線でも拾うことが出来ます。
その為、むしろ4つ選べは3つ選べより易しくなったとも考えられます。
優れている指標は、売上高総利益率です。
劣っている指標は、営業利益率や経常利益率かどちらですが、営業利益率が無難です。
販管費率が高い場合は、営業利益率の指摘が◎
営業外費用(主に利払い)が高い場合は、経常利益率の指摘が〇
今回はどうも、長期借入金が多いわりに金利が低くて利払いは大したことはないですね。ただ他社と比べてかなり販管費率は高いです。
この時点で営業利益率でOKです。
もちろん売上高販管費率でも可です。
※数学的にほぼ同じ指標なので当サイトでは営業利益率としか答えません。
またそもそもD社の経常利益はむしろ営業利益よりも大きく増加しています。
これは経常利益を選ぶなよ感がビンビン出てますね。(作問者の易しさです)
あと個人的には、安全性で自己資本比率を選んだ場合、経常利益率は選びにくいです。
自己資本が悪い場合、大抵利払いが多くて、そりゃ経常利益も悪いだろうって話です。
間接的に繋がっている指標なので、完全に独立した指標よりも指摘する優先順位が落ちてしまいます。だから長期安全性を指摘した後に経常利益率もわざわざ指摘するケースは少なくなるわけです。
【効率性】
あと一つ優れている指標を効率性のどちらかから選べばOKですが、棚卸資産回転率か有形固定資産回転率かここが今回の問題では一番悩むところではないでしょうか。
まず、業種で考えてみたいです。今回はスーパーマーケットが中核の企業です。
製造業であれば、いかに保有設備(有形固定資産)を活用するかが重要になるかはわかると思いますが、小売業であれば、いかに商品を売ってなんぼではないでしょうか。
また、有形固定資産には大体、土地、設備、建物とありますが、今回の指標ではその内訳が全くわかりません。仮に他社の64億円の内50億円が土地だったらどうでしょうか。
そうかもしれない状況(他社は14億円の施設で大きな利益を出している中)で、堂々とD社の方が経営効率最強!!他社ワロスwwwと言えるでしょうか。
有形固定資産の内訳を隠すのはちょっといやらしいですが、わからないものにドヤ 顔で触れないというのが一種のマナーかもしれません。
従って、棚卸資産回転率を選択します。
(設問2)
いつもの問い掛け方と違います。単純に優れている点と劣っている点のコメントを書くだけでは不十分だと思います。予備校の解答でも過去問と同じようにテンプレートで回答しているのは、ちょっと意味不明です。
財務的特徴と課題について80字で書くには、どうしても特徴の薄いものは削らざるを得ません。
従って特に気になる、営業利益率の低さと自己資本比率の低さを財務的特徴を指摘した上で、その課題について言及しました。
【課題例】
販管費を下げて→営業利益率改善
長期借入金を返済して→自己資本比率改善
金利が大したことないので、借金返済じゃなくて余剰金の確保とかでもいいのでは?
後のNPVの問題で、割引率6%って出てましたからね…。
資本コストが銀行金利よりもはるかに高そうなのです。
変に自己資本だけを高めるよりも目立つ長期借入金を返済するのが無難かと。
そこまで考えとったのか?
いいえ全然、第2問とか最後にやったし…。
(後付けならなんとでも言えるぜ!)
第2問 NPV
NPVは時系列や項目を図や表で整理するとそんなに難しくはありません。
その整理する時間がないわけで…
正直、抜け漏れや計算ミスは仕方ないと思います。
ただ白紙はダメです!
せめてオレ解き方はわかってんだよねオーラを解答用紙にぶち込みましょう。
絶対得点はもらえます!
中小企業診断士 二次試験の攻略⑭ 事例Ⅳ NPVを簡単に解く3ステップ
(設問1)
CIFを考える上で以下の項目から拾っていきましょう。
② 減価償却
③ 処分価額
④ 税効果
⑤ 運転資本増減
(単位は全て万円)
①増加利益
費用削減効果と同義です。問題文通り2500です。簡単!
②減価償却
これが一つの山場ですね。「取替投資」の話なので、取替えない場合と取替えた場合との比較が必要です。つまり【差額】で計算します。
※そもそも①の利益も【差額】です。
セミレジだと減価償却は2000 (100万x100台÷5年)
フルレジだと減価償却は3500 (210万x100台÷6年)
差額は1500の費用増
③処分価額
下取価格が8万円とのことなので、100台で800
私はこれをCIFに計上してしまいましたが、問題文をよく読むとこの下取り価格は、新しいレジ価格の値引きに使われるらしい(つまりCOF勘定)のでCIFに入れちゃダメですね。
ワイくんは問題文をよく読みましょう。
④税効果
旧レジの残存価額の簿価は、まだ2000あります。(10000を4年8000償却したので)
2000を資産計上しているのに、実際に売れたのは800
つまり1200の特別損失です。
従って1200×税率分のお金が返ってきます。1200x30%で360です。
⑤運転資本増減額
考えなくてよさそうです。やったぜ。
というわけで、①と②と④だけ考えればOKです。
また問題文より、全体利益は黒字とのことなので赤字時の税金処理も考えなくてOKです。
FCF(CIF)は、①②より
(営業利益ー減価償却費増)(1-t)+減価償却費増
=(2500-1500)0.7 + 1500
あるいは、
(営業利益)(1-t)+減価償却費のtaxシールド
=(2500)0.7 + 1500(0.3)
いずれにせよ2200になります。
それに、④の360を加えて2560が正解。
(設問2)
図を書く。(解答用紙にもそのまま書くスタイル)
2年目以降は、2200が続きます。
現在価値で割り引くとCIFは11156.88になります。
(計算は解答用紙を参照)
注意点はCOFの投資額の方です。
単純な場合、2億円投資したならばCOFは▲2億円と考えればいいだけですが、今回は以下の2要素を考慮しなければいけません。
①下取による値引額
②あくまで取替投資なので投資額も【差額】で考慮
今回の新規投資額は210万円×100台で、2億1000万円です。
そこに下取りの800万円が値引きされます。21000-800=20200
さらに従来レジの1億円(10000)投資分が差っ引かれます。(差額の話なので)
※10000の時系列に注意(今ではなく1年後です)
というわけでCOFは、20200-(10000)0.943=10770となります。
CIF-COFを差し引きすると、386.88とプラスになりますので投資判定は、投資を実施するとなります。
燦は投資を実施しないと書いとったね。
取替投資なのにセミレジの投資額をCOFから差っ引かなかったのが元凶ですね。
あと計算ミスもぼろぼろと…。
設問3が値引きするという主旨だったので、設問2はこの価格では投資しないという答えになるという固定観念に囚われてました。そのせいでほどよくマイナスになるように計算をがっちゃがっちゃしており…。(スーパー言い訳タイム)
(設問3)
図書いたら楽勝。
何をχとおいてもいいですが、1台当たりの金額をχと置きます。
投資額は100台なので100χとなって、減価償却費は20χになります。
各年度のFCFを求める式は、いつもと同じです。
(営業利益ー減価償却費増)(1-t)+減価償却費増
=(2500-(20χ-2000))0.7+(20χ-2000)=6χ+1150
COFは、フルレジ投資額の100χとセミレジ投資額10000の差額です。
注意点としては、どちらも1年後の話です。(現在価値×0.943)
というわけでCIF-COFのNPVが、設問2の答えの386.88を超える事が出来るχが答えとなります。
解答用紙の式より、1台当たり1,932,159円以下となります。
という感じでこの投資により、第1問の販管費削減課題が少し解消されそうですね。
さぁあとは値引交渉!(193万円/台以下ならヨシ!)
まぁ元の耐用年数が6年なら、210万円-35万円の175万円/台でどうですかな。
いや~、"中古"ですからねぇ。3割引きの147万円/台でお願いしたっていいですよねぇ。
(そしたら約4600万円の儲けククク)
ハハ…今回の話はなかったことに…。
第3問 CVP
絶対正解をもぎ取りたいCVP!
全てはこの式だけで解けますので頑張って!
売上-変動費-固定費=利益
中小企業診断士 二次試験の攻略⑬ 事例Ⅳ CVP分析はたった一つの式があれば全部解ける
(設問1)
販売数量をQ(㎏)とする。
売上=1200Q
変動費=360Q
(50000㎏時の総費用が3000万円で、その内60%が変動費なので1800万円。1800万円÷50000kg=360円/㎏)
固定費=1200(万円)
(50000㎏時の総費用が3000万円で、その内40%が固定費なので1200万円)
利益=1500(万円)
売上-変動費-固定費=利益
1200Q-360Q-1200万円=1500万円
Q=32,143kg
(設問2)
きましたね、CVPひねり要素。
論点としては「可変固定費」に近い「可変売価」のパターンですね。
こういう場合分けのケースは、全パターンを計算してやったらOKです。
各パターンの計算には5秒程度しか掛かりません。
※注意1:原価単価360円/㎏は固定で計算(×変動費率30%)
※注意2:少数点以下を繰り上げ(×四捨五入)
①売価1400円(0~20000㎏の場合)
1400Q-360Q-1200万=1500万
Q=25,962㎏ (範囲外の為達成不可)
②売価1240円(20000~30000㎏の場合)
1240Q-360Q-1200万=1500万
Q=30,682㎏ (範囲外の為達成不可)
③売価1060円(30000~40000㎏の場合)
1060Q-360Q-1200万=1500万
Q=38,572㎏ (範囲内の為達成可)
①売価860円(40000~50000㎏の場合)
860Q-360Q-1200万=1500万
Q=54,000㎏ (範囲外の為達成不可)
というわけで、③のパターンの38,572㎏が答えです。
第4問 企業価値
ここは記述問題ですので、優先して埋めましょう。
第1問の後か、CVPの後に取り掛かります。絶対に時間切れで白紙とかはダメです。
正式な答えは難しいですが、それっぽいことを書けば得点になります。
(設問1)
不採算事業をやめれば短期的には収益が改善します。
・トラックが不要になるので、トラックを売却してキャッシュイン
・トラックが不要になるので、ドライバーもまぁ不要…販管費削減
・トラックを売却すると、固定資産額が下がり経営効率がアップ
・ネット通販事業への経営資源の集中
とかが単純に思い浮かびますが、『財務指標をあげろ』とありますので、財務指標を述べて解答しましょう。
販管費削減とか有形固定資産回転率の向上とかトラック売却益で長期債務の返済で自己資本比率向上とか、そんな感じだと思います
第1問の経営課題と紐付ければよりいいかもね
(設問2)
企業価値とは何なのか。
設問1のやり方は、確かに短期的なメリットはあります。
でも経営者はあえて継続する意思がありそうな感じですね。
ここの解答は、悩むところです。
①事例Ⅳとして財務的な企業価値について考えるのか
②中小企業としての真の企業価値について考えるのか
おそらくD社の経営方針としては、②のお金ではない地元貢献の思考が強いのだと思います。だからこそ90年以上も企業を継続出来たとも考えられます。
なので、
高齢化する地域に移動販売でモノを供給することは、金では測れない企業価値が存在する。
とかでも全然良いような気もしますが、解答としてはややリスクもありそう。
ということで、
・地域貢献
・シナジー効果
・将来性
というワードを盛り込みました。
必殺『どっちも取り入れ』
迷ったときはどっちも取り入れだ!
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事例Ⅳ特集 ファイナル攻略マスターガイド