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事例Ⅱ-② ターゲット・製品サービス戦略
事例Ⅱ 10大テーマ
- 環境分析
- データ分析
- ターゲット
- 製品・サービス戦略
- 価格戦略 ← これ!
- プロモーション ← これ!
- チャネル
- 顧客関係
- 競合
- 地域連携
価格戦略については診断士の試験ではあまり出てこなかったとされているんですが、それは中小企業がまず価格を安くして販売を伸ばしていくという戦略はあまり取らないからですね。そもそも大手企業には価格では勝てないし、価格を下げて注文を取っていこうというのはあまりにも安直な施策になっちゃいますよね。
価格を下げずに売上を伸ばしていこうというのが知恵の絞りどころというか、診断士としての助言のポイントなので、割引をやっちゃうと試験の問題として成立しにくいというのがあるかなと思います。
5. 価格戦略を完全攻略!
5-1. 売上向上の基本構造
売上をいかに伸ばしていくのかというのが事例Ⅱのテーマでもありますよね。売上を上げていくためには、最も単純に分けると2つしかなくて、客単価を増やすか客数を上げるかのどちらか、もしくは両方です。
売上 = 客数 × 客単価
客単価 = 買い上げ点数 × 商品単価
客数を増やす施策
- 新規のお客さんをいかに獲得していくか
- 既存のお客さんのリピートをいかに増やしていくか
客単価を増やす施策
- 買い上げ点数を増やす:クロスセル、関連商品をセットで販売、まとめ買い
- 商品単価を上げる:付加価値サービスを提案、アップセル
商品単価を上げる具体的な方法
- 付加価値サービス:よく言われる「高付加価値サービスを提案する」というやつですね
- アップセル:ライトプランやスタンダードプランがあるんですけども、一部ロイヤルカスタマー向けの高額商品を販売する
- フロントエンド戦略:目玉となる商品を安く配置しておいて、お客さんを呼び込んでそこから他の商品を買ってもらう
5-2. 価格設定の3つの方法
価格設定がそこまで重要かって言うと、利益に対するインパクトが一番大きいファクターだからです。利益に影響するファクターは4つしかなくて、価格、それから販売数、そして変動費と固定費です。この4つしかないんですけども、この利益の上下に対する一番レバレッジが効いているのが商品単価のところです。
1. コスト基準法(コストプラス法)
- 原価が例えば50円なので、ここに人件費とか配送費とか諸経費含めて100円ぐらいで売りたいな、という価格の決め方
- 製造業なんかではよく使われる
- 変動費がある程度明確なものであれば設定しやすい
- デメリット:サービス業だと難しい。中小企業にとってはあまり良くない価格の設定方法かもしれない
2. 競合基準法
- ライバルがいくらで販売しているかを参照にするやり方
- 似たようなサービスを出しているライバルが100円で売っているのであれば、1000円では売りにくい
- 今は価格なんかはすぐ比較されちゃうので、ライバルが100円なのであれば、こちらも100円もしくは90円とかで少し下げて顧客を獲得していく
- デメリット:利益が出るかどうかは分からない。競合が特別な仕入れルートで安く材料を仕入れてる場合、こちらの利益は相当削られてしまう
3. 価値基準法(最重要!)
- 顧客が感じている価値で価格設定をつけるという方法
- 例え原価が10円だったとしても、お客さんが1000円でも欲しい、それぐらいの価値があると思っていただけるのであれば、別に1000円だって構わない
- よく言う「高付加価値サービス」がまさにこれ
- B社でしかできないもので、それがお客さんに価値を感じていただけるのであれば、高付加価値として受け入れられる
- 中小企業においては一番重要な価格設定方法
5-3. プライシング戦略の5つの手法
1. ダイナミックプライシング
時価を変えるという感じですね。お寿司屋さんに行ったら「時価」って書いてあって、その時に応じて価格が変わりますよみたいなやり方です。
- よくあるのは平日安くて休日高いサービス
- お客さんがたくさん来る時は価格が高くできるし、お客さんがあまり来ない時は安くしてより多くのお客さんに来てもらいやすくする
- B社が繁閑差が激しいような業種だった場合は有効に働くことがある
2. サブスクリプション
- 商品単価は下げるけれども、継続リピートを促すことで顧客生涯価値(LTV)を増やしていく価格戦略
- 高額の商品をいきなり紹介しても買ってくれないから、入り口のところを安くしておいて、継続課金・リピートを促す
- 継続課金モデルは診断士の試験においても出てくるだろうということでチェックが必要
3. アップセル
- 高額の商品を売り込んでいく戦略
- いきなり高額の商品って買うお客さんは少なくて、買いやすい商品・サービス、無料特典、書籍などのフロントエンド商品があって、それを買った後「このサービスいいな」みたいな信用を高めてから、より高額の商品を販売する
- 実際のビジネスでもよく使われているやり方
4. フリーミアム戦略
- 分かりやすいので言うとソシャゲーみたいなやつ。無料で遊べて、中にその一部課金がある
- 無料で幅広く多くの人にまず使ってもらう。その中で90%以上の人は無料で使うんだけど、一部の数%の人が課金してくれる
- ロスリーダー戦略も同じ。卵を10円で販売します(赤字確定)。それによって来てもらってから他の商品も買ってもらう
- B社の体験教室や無料イベント、無料セミナーもフリーミアムの一種
5. バンドリング戦略(最重要!)
複数の商品・サービスをセットで販売する戦略なんですけども、セット販売と何が違うのかって言うと、セット販売はAとBを買ったら割引しますよみたいな感じですよね。この場合A単体でも買えるしB単体でも買えるんですよ。
バンドリングは単品って買えないんですよ。バラ買いできないんですよね。
バンドリングの例:旅行のパッケージツアー
- 交通手段、宿泊施設、温泉、晩御飯の料理がついて5万円です
- 「宿泊しません」とか「料理だけください」みたいなことってできない
- 色んなサービス・商品・アフターサービス・メンテナンス、それぞれ含めて一括でこの価格ですよ、みたいな一貫サービス
バンドリングが重要な理由
- 差別化が図れる:B社でしかコーディネートできないサービスが演出できる。まさに高付加価値サービスにつながる
- 顧客満足度が高まる:お客さんからするといちいち自分で選ばなくても、プロから見た一貫したサービスが受けられる。ワンストップサービスを受けられる
- 価値基準の価格設定がしやすくなる:原価が見えないのを逆手に、価値基準の価格設定もしやすくなる。パッケージツアーでもB社オリジナルの商品だから、こういう価格なんですって言ったら、お客さんはそれぞれの原価がいくらでとかあんまり考えない
6. プロモーション戦略を完全攻略!
4Pのプロモーションに関しては、事例Ⅱにおけるメインディッシュかなという風に思います。5W1Hフレームワーク「誰に何をどのように」の中の、この「どのように」の部分ですね。一番問われる論点だし、一番難しいし、一番考えないといけないといったようなところになります。
6-1. プロモーションの4つの手段(従来型)
テキストとかでよく言われる4つのフレームワークなんですけども:
1. 広告
- 何かしらの媒体にお金を払って認知を広げていく活動
- 広告について試験問題になったことはあんまりない
- これは私が「マリーアントワネット戦略」と個人的に呼んでいて、あまり試験には出ない論点の一つ
- 「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」みたいな話で、「広告費1億円かけたら売上増やせますよね」っていうのはすごく当たり前の話なんですけど、それができないから困ってるわけで
2. 販売促進(最重要!)
- 一番のメインポイントになってきます
- B社っていうのはやっぱりいい商品とかいいサービスを持ってるんですけれども、マーケティングのところが少し苦戦しているケースが多い
- 販売促進方法は多分100個とか200個とかある。それのどれを選んでいくかが事例Ⅱにおける一番重要なポイント
- 外しちゃうとポエム回答になって得点が取れない
3. 人的販売
- 対面営業みたいなやつ
- B社にとっては割とここに力を入れていくケースが多い
- B社は丁寧な接客、こだわりの接客、高品質のサービスで対応していくケースが多いので、人的販売・対面営業は顧客との関係性を強化していく上では割と重要
4. PR(パブリックリレーション)
- 公的機関に取り上げられるみたいのが本来の意味ですけれども、あまり狙ってやりにくい
- B社の場合は地域連携とか行政連携を結構行いますので、地域に根ざした商品を持っているのであれば地域行政の方とも連携しやすい
- 地域貢献とか寄付活動をすることを自ら発信することでB社の信頼とかファンを作っていく
- 環境に優しい取り組み、グリーンプログラム、SDGs系の施策、食品ロス・フードロスに対応する
6-2. 目的別手段(重要!)
先ほどの4つのフレームワークだと、販売促進の施策が多すぎてほぼ偏ってしまうので、あんまり役に立たないんじゃないかなという風に思います。
こっちが本命なんですけども、目的別手段で分けた方がいいんじゃないかなと思います。ここが事例Ⅱのキーかもしれないですね。
これはマーケティングファネルとか顧客導線とか言ったりしますけれども、お客さんの行動に合わせて施策を考えていくのが一番分かりやすいし筋が通るかなという風に思います。
1. 集客施策
2. 販売施策
3. リピート施策
4. 拡散施策
1. 集客施策
認知活動とか、お客さんにリーチするための活動という風にも言ったりしますけども、まず最初にお客さんに来店してもらわないことには何も始まらないわけですよね。B社のことを知らないお客さんにB社を知ってもらうための活動です。
- SNSで発信する
- 電話をかけて営業する
- 看板を掲げる
- 広告を使う
- インバウンド対応とか、Googleマップ対応、ホームページでの英語の対応
- 紹介をもらう(リファラルマーケティング)
- 体験会とか体験教室を開く、イベントを開催する
2. 販売施策
セールス、成約にいかに持っていくという話になります。お客さん来ました、来た状態でそこからどうやって販売につなげていくのかというのがここのポイントになってきます。
- POPで訴求する
- パッケージで見せる
- 農産物だと生産者の顔が見えるシールを貼る
- 試食を促す
- 丁寧な接客を行う
- こだわりを訴求する
- 動画で見せていく
- ホームページを整備する(信頼性を高める施策)
つまりこれは信頼を上げるための施策なので、ホームページを整備するっていうのも実はその集客施策ではなく販売の方なんですよ。信頼性を高める施策ですね。
3. リピート施策
契約で注文もらいました、売上が立ちました、ってなると重要なのがリピート施策になってですね。よく顧客関係性強化っていう言い方をしますけども、顧客との関係強化して仲良くなりたいっていうのはもちろんあるんですけど、本来の目的はリピートを促すための施策なわけです。
- 双方向コミュニケーションを取る
- ワン・トゥー・ワンマーケティングを行う
- アフターフォローをする
- エンゲージメントを高める
- 顧客のロイヤリティを高める
- 愛顧向上(あいこ向上)
お客さんとの接点を増やすことで仲良くなって関係性が深まることで、リピートを促していくということになります。
4. 拡散施策
お客さんがお客さんを呼ぶ構造にしていくのが非常に重要な施策になってきます。昨今のマーケティングにおいてはここが非常に重要になってるですね。
- 一番代表的な例で言うと口コミ
- 口コミをしていただくことで、お客さんの集客にもつながるし、販売の信頼にもつながる
- 3つ目のお客さんとの関係性が高まってくれば、自然にこの4つ目のお客さん口コミにもつながってくる
- 口コミしてもらうと次の新規集客にもつながるということで、全部この円のようにループしてる
6-3. 具体例で理解を深めよう
問題解釈をする段階で、これが集客施策なのか、販売施策なのか、リピート施策なのか、拡散施策なのか、そこを意識するとどういった提案をするかが明確になるので、ポエムになりにくく、的を得た回答になりやすいです。
集客施策の具体例
悪い例:SNSを活用して認知を広げていく
良い例:SNSで商品制作プロセスを動画配信し、職人の技術力をアピールすることで認知を広げていく
- 動画マーケティングと透明性マーケティングの要素が入ってる
- 職人の技術力をアピールする(強みの活かし方)
- それをすることで認知を広げていく(集客施策の一例)
リピート施策の具体例
悪い例:顧客との関係性を深める
良い例:顧客と双方向コミュニケーションの機会を創出し、商品開発に顧客を巻き込むことで顧客との関係性を高めていく
販売施策の具体例
悪い例:POPを活用する
良い例:生産者の顔写真とこだわりのストーリーを記載したPOPを店頭に設置し、商品の信頼性と差別化ポイントを訴求することで購買意欲を向上させる
- 顔写真とこだわりのストーリーを載せたPOPを店頭に設置し(どこに設置し)
- 商品の信頼性と差別化ポイントを訴求する
- 効果としては購買意欲を向上させる
- これは別に集客でもリピート施策でもなくて、その場での購入意思決定を促進させるための施策(販売施策)
まとめ!
価格戦略のポイント
- 売上の構造理解:売上 = 客数 × 客単価(客単価 = 買い上げ点数 × 商品単価)
- 価値基準の価格設定:中小企業においては一番重要。顧客が感じている価値で価格設定する
- バンドリング戦略:複数商品をセットで販売。差別化、顧客満足度向上、高単価サービス提案が可能
- アップセル・フリーミアム:フロントエンド商品から本命商品への誘導
プロモーション戦略のポイント
- 目的別手段の活用:集客・販売・リピート・拡散の4つの施策で分類する
- 顧客導線の理解:お客さんの行動に合わせて施策を考える
- 具体性の追求:抽象的な提案ではなく、具体的な手法と効果を明記する
- 因果関係の明確化:それぞれの施策に対する目的を認識し、効果の説明ができるようにする
ということで、今回は価格とプロモーションについて解説しました。事例Ⅱにももちろん重要な論点だし、現実のマーケティングにおいても非常に重要だし、めちゃくちゃ深い話になってきます。
施策の方法なんて挙げるともうそれこそもう星の数ほどありますので、ただその施策を何をどんな手を打つかっていうよりかは、そもそもどういった価格の戦略を取っていくのかとか、そもそもこのプロモーションは何が目的なのかっていうのを意識すると、割と回答がぶれないというか、そこを意識して問題文を読んでいくとみんな同じ回答にたどり着くんですよね。
本来は因果関係もしっかり、5W1Hフレームワークもしっかり打ち出せるということになりますので、今回の話復習してみてください。
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