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事例Ⅱ-④ チャネル・顧客関係構築
事例Ⅱ 10大テーマ
- 環境分析
- データ分析
- ターゲット
- 製品・サービス戦略
- 価格戦略
- プロモーション
- チャネル ← これ!
- 顧客関係 ← これ!
- 競合
- 地域連携
事例Ⅱの7つ目のテーマはチャネルについてです。4Pで言うところのPlace(流通)のPに当たるところですね。これも結構頻出論点になってますので要チェックです。
そして8つ目のテーマは顧客関係構築です。もうこれは毎年絶対出ますのでしっかり抑えておかなければならないポイントですよね。これまでの説明の中でも間接的に「顧客関係性強化」みたいなワードがもうしょっちゅう出てきましたよね。
7. チャネル戦略を完全攻略!
7-1. 新規チャネル開拓
ここがよく問われるところですよね。これから新しい販路をどうやって開拓していくのかとか、新しい流通経路をどうやって構築していくのかという話なんですけども、目的は明確で単純に売上を伸ばしていきたいわけですよね。市場を拡大していきたいわけです。だから新しい販売経路を増やしていきたいという感じです。
どういうチャネルがあるかを把握しておけばいいんですけども、大きく分けると直接チャネルと間接チャネルに分かれます。
直接チャネルの例
- 移動販売:豆腐屋さんみたいな感じで、直接お客さんに販売している
- ECサイト:オンラインの自社ECサイト
- 店舗:一番分かりやすい直接販売
- ショッピングモールへの出店
- 出張販売:祭事とかイベントに行って出向いて販売する
- 飲食店全般
間接チャネルの例
- 卸売業者への販売:百貨店とかスーパーに卸している
- 代理店・販売パートナー
- ECモール:楽天、Amazon、Yahoo!などで販売する
- 地域連携:道の駅、アンテナショップ、観光地のお土産として売る
直接チャネルと間接チャネルのメリット・デメリット
直接チャネル | 間接チャネル | |
---|---|---|
メリット | ・利益率が高い(中間マージンがない) ・お客さんの声を直接聞ける ・お客さんとの関係性を築きやすい ・商品開発に活かせる |
・初期費用を抑えられる ・販売先のパワーを活用できる ・物流・配送業務を委託できる ・プラットフォームの力を使える |
デメリット | ・初期投資・運営コストが高い ・店員の配置が必要 ・マーケティングコストがかかる ・在庫・物流の費用 |
・中間マージンで利益率低下 ・販売方法のコントロールが難しい ・直接ニーズを収集できない ・チャネル依存のリスク |
チャネル選択のポイント
どういった新規チャネルを増やしていくかが問題になった場合は、やっぱりまずはターゲットはどこの顧客層を狙うのかをしっかり把握しておかないといけないですね。
そのターゲットをちょっと魚に例えますけど、その魚がいる釣り場(チャネル)をしっかり選ばないといけないです。
- 悪い例:高齢者をターゲットとしているのにSNSで販売を促進する
- 良い例:観光客をターゲットにするなら道の駅や観光地のお土産屋さんなどの間接チャネルを活用
7-2. 既存チャネルの強化
新規チャネルを開拓していくだけじゃなくて、今販売しているチャネルを強化していくという観点も当然あります。
既存チャネルを強化していくのは、チャネル戦略というよりかは、チャネルはもう決まってるわけですから、どちらかって言うとプロモーション施策みたいな話になってきますよね。
既存店舗の販売力強化
- 店員のスキルアップ
- 接客力を上げていく
- 商品配置方法を変える
- レイアウトを変える
- 店舗の照明やBGMや雰囲気を変えていく
- POPを活用する
- 顧客データを活用する
間接チャネル先との関係性強化
特にその卸売業者、小売業者が百貨店とかスーパーとか百貨店とかそういうところとの関係性を強化していくことで、末長くお付き合いしていきましょうみたいな視点も必要になります。
これ結構問題として出されるのは、既存のチャネルをあまり無いがしろにしないでねっていう論点がたまに出てきますね。新しく利益率がいいからもう自社で直接販売していくんだってなると、元々販売してくれた既存チャネルからするとやっぱり気持ちが良くないわけです。
- 定期的に懇親会とか勉強会をしたりとか
- 役割分担:販売費は卸売店が持つけれども商品開発はB社の方でやる
- お互いがウィンウィンの関係を築く
7-3. チャネルの進化
ここがちょっとこれからのチャネル戦略としては重要な話になってくるかなと思うんですけども、やっぱりかなりそのチャネル戦略が複雑化してきてるんですよね。いろんなチャネル戦略やって結構ごっちゃになるところなんで、ちょっと改めて整理しておきたいなと思います。
1. シングルチャネル
1個のチャネル・販路で販売する方法。店で野菜を売っている、これだけしかやってません、という状態。
2. マルチチャネル
店で野菜も売っているけれども、ネットでも野菜を売り出しました、卸売もやりました、という感じで3つのチャネルができた状態。それぞれが独立して成立している。
3. O2O(Online to Offline)
オンラインからオフラインにお客さんを誘導しましょうというやつ。ネットで予約して店舗に行く、ぐるなびでお店を予約して行く、など。
4. 逆O2O(Offline to Online)
オフラインからオンラインにお客さんを誘導する。店舗に来てもらったお客さんをオンラインに誘導する。QRコードを読んでもらうとか。
5. オムニチャネル
チャネル同士が融合したような感じ。ドラッグストアでアプリでポイントカードを出す。どこの店舗でも自分のアカウントでポイントが貯められる。マクドナルドやスターバックスでネットで注文しておいて店舗に商品だけ取りに行く。
6. OMO(Online Merges with Offline)
完全にオンラインとオフラインが融合したような状態。AmazonGOのように店舗に行ってそのまま商品を袋に入れて持って帰ったらオンライン上で決済されてる。街を歩いてたらスマホに通知が来て「そろそろ髪切った方がいいんじゃないですか」で隣にヘアサロンがある、みたいな。
チャネル戦略の進化で言うと、B社がどの辺りに位置しているのかを把握した方が良いかもしれません。
段階としてはチャネル戦略の進化で言うとOMOはかなり最新の話になってくるので、中小企業であるB社がOMOのチャネル戦略を取るかって言うと、かなり段階があるので、実際はオムニチャネルあたりに差しかかるぐらいのレベルでいいんじゃないかなとは個人的には思います。
オムニチャネルにしてもそもそもオンラインとオフラインが両方まずしっかりしてないとできないですし、それを連携させるためのIT人材みたいなのも当然必要になってきますので、そういった人材がいない中でオムニチャネル戦略ってそもそも取れないと思うんですよね。
8. 顧客関係構築を完全攻略!
8-1. LTVの向上
やっぱりその新規顧客の獲得だけで売上を増やしていくのってどっかでやっぱり限界が来ますよね。特にB社の場合、中小企業は割とその狭い市場の中で勝負をしているので、限られた顧客の中で売上・収益を伸ばしていくにはLTV、それからリピートを増やしていかないといけない。
その顧客関係構築の最終目的は、このLTV(顧客生涯価値)を伸ばしていくということが最終ゴールになるんです。
LTV向上 ← リピート向上 ← 顧客ロイヤルティ向上 ← 顧客満足度向上 + エンゲージメント向上
顧客満足度を高める、あるいはエンゲージメントを高めていくと顧客ロイヤルティが高まり、それがリピートにつながって、最終的にLTVが向上していくという流れになります。
8-2. 顧客満足度向上(SERVQUAL)
じゃあこの顧客満足度をどうやって上げていくかという話なんですけども、これはサービス品質向上という視点・フレームワークで考えれば良いかなと思うんですけども、SERVQUALというワードを覚えていらっしゃいますかね。サービス品質の5要素なんです。
1. 有形性(Tangibles)
五感で感じるもの。店の清潔感、内装、従業員の身だしなみ、設備・機器の充実度、看板、メニューのビジュアル、BGM、香り、空調など。どんなに美味しいラーメン屋でも不潔な店内だとサービス品質は落ちる。
2. 信頼性(Reliability)
約束を守る。期日を守る、時間を守る、一定したサービス品質を守ってくれる、ミスのない確実な提供を守ってくれる。
3. 保証性(Assurance)
安心感。従業員の専門知識、資格を持ってたりしたら安心感、従業員の礼儀正しさ、安心安全への配慮、「この会社なら安心だな」みたいな感覚。
4. 応答性(Responsiveness)
迅速な対応。疑問に思った時・質問した時にすぐ答えてくれる、待ち時間がない、問題解決が早い、たらい回しにされない。
5. 共感性(Empathy)
お客さんの心理的満足度を高める。個別の配慮、気配り、コミュニケーション、特別対応など。
このサービスの5つの面でどこが強いかな、どこが弱いかなというのを考えて、弱みのところを補填してやるとサービス品質が上がっていくということになります。そしてサービス品質が上がると顧客満足度が上がるという関係になってます。
顧客満足度は期待値とのギャップで決まる
期待値が高いところに実際のサービス力が低いと顧客の負のギャップが生まれるので満足度が下がるわけですね。元々期待してないのに普通ぐらいのレベルでサービスがあると、逆にこれは満足度が上がるということになるんですよ。
過去問との関連
- インターナルマーケティング:従業員を大切にすることで従業員の満足度が上がる→保証性・共感性の向上
- サービスリカバリー:クレームが出た時こそ丁寧に対応することで顧客満足度を上げる→応答性の向上
- 感覚価値・関係価値:感覚価値は有形性、関係価値は共感性に関わってくる
8-3. ロイヤルティとエンゲージメントの向上
ロイヤルティとエンゲージメントの違い
ロイヤルティ | エンゲージメント | |
---|---|---|
意味 | 愛顧(忠誠心)、ファンみたいなもの | 企業側と顧客との接点・交流 |
特徴 | 一方通行(顧客側から企業への片思い) | 双方向(両思い的なコミュニケーション) |
効果 | 毎回同じ店で購入、他の店に行かない、浮気しない | SNSでの交流、コミュニケーションが生まれる |
戦略例 |
高級ブランド(ルイ・ヴィトン、シャネル)の |
中小企業の地下アイドル的なお客さんとの交流 |
高級ブランドみたいなのってあんまりエンゲージメントがない感じなのは分かりますよね。お客さんと仲良くコミュニケーションするっていうよりは、自社の高級なブランディングをして、それに対してファンがロイヤルティが高まってるような状態。トップアイドルみたいな感じですよね。
それに対してエンゲージメントを高めないといけないのはやっぱり中小企業の方で、そのトップアイドル的なブランディングってやっぱり難しいじゃないですか。中小企業だからエンゲージメントを高めるんですよね。双方向コミュニケーションすることで、地下アイドルみたいなことですよね。お客さんとの交流を高めていくことで、それでロイヤルティが高まっていくわけです。
エンゲージメントを高める具体的施策
- 体験型イベント:工場見学、体験教室
- SNSでの双方向コミュニケーション
- 共創活動:お客さんを商品開発に巻き込む、投稿キャンペーン
- コミュニティ形成
8-4. CRM(Customer Relationship Management)
CRMはカスタマーリレーションマネジメントですけれども、そのまま直訳すると顧客関係管理ですよね。この顧客関係性を強化したこの状態を感覚的なものじゃなくて、しっかりデータで管理していきましょうというのがCRMの考え方になります。
なのでやっぱりITとかデジタルとかそういうのに強い人材もいないといけないんですけれども、こういうデータをしっかり管理して、それを施策に活かしていきましょうみたいな。
CRMの活用例
- クロスマーチャンダイジング:商品戦略に活かしていく
- ワン・トゥー・ワンマーケティング:その顧客にパーソナライズしたサービスを提案する
- 大手との差別化:中小企業が大手が「広く浅く」やってるところに対して、1人に対してアプローチすると反応率が全然違う
ポイントとしては、そのCRMを行っていくにあたってはやっぱりそのITに強い人材とかアプリ開発なんかもそうですけど、そういうリソースがないのにそういったことって難しいです。ITに強い人材が最近入ってきたとか、アプリ開発経験者が入ってきたとか、そういったヒントがあるのであれば、CRMの考え方っていうのは有効に使えるかなということです。
まとめ!
チャネル戦略のポイント
- 直接・間接チャネルの理解:それぞれのメリット・デメリットを把握する
- ターゲットとの整合性:魚がいる釣り場(チャネル)を選ぶ
- 既存チャネルとの関係維持:新規チャネル開拓時も既存先を無いがしろにしない
- チャネル進化の理解:シングル→マルチ→O2O→オムニ→OMOの流れ
顧客関係構築のポイント
- LTV向上の構造理解:LTV ← リピート ← ロイヤルティ ← 満足度・エンゲージメント
- SERVQUAL活用:有形性、信頼性、保証性、応答性、共感性の5要素で品質向上
- ロイヤルティ vs エンゲージメント:一方通行 vs 双方向の違いを理解
- 中小企業の戦略:エンゲージメント重視の「地下アイドル」的アプローチ
- CRMの条件:ITに強い人材がいる場合に有効
ということで、今回はチャネルと顧客関係構築について解説しました。いかがだったでしょうか。
チャネル戦略はどちらかと言うと新規顧客獲得のためなんだな、顧客関係構築はやっぱりリピート向上のためなんだなっていう目的がしっかりしてますよね。その目的と施策の関係性が分かれば、あとはその施策の具体例を知識として積み上げていけば、「あ、このパターンではこれだな」みたいな、そういうのが徐々に徐々に身についてくるんじゃないかなと思います。
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