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事例Ⅱ-② ターゲット・製品サービス戦略
事例Ⅱ 10大テーマ
- 環境分析
- データ分析
- ターゲット ← これ!
- 製品・サービス戦略 ← これ!
- 価格戦略
- プロモーション
- チャネル
- 顧客関係
- 競合
- 地域連携
特にターゲット設定は、マーケティング戦略を展開していく上で欠かせない要素になってるんですよ。問題としては具体的なターゲットを挙げる問題もあれば、どのようなターゲットにおいてどのような商品展開をするかみたいな感じで、ターゲットを含めた商品戦略を問われることもあります。
3. ターゲット設定を完全攻略!
そもそもターゲット設定ってなぜ重要?
これ、実際にあった面白い事例があるんです。ある中小企業の下着メーカーが、1着7000円という超高級な男性用下着を販売していました。普通の男性用下着って500円〜1000円くらいですよね。でも、この7000円の下着がバカ売れしたんです!
なぜだと思いますか?
実は、男性用下着なのにターゲットは女性だったんです。「男性にプレゼントを送りたい女性」がターゲットでした。自分では絶対買わない下着でも、プレゼント用なら「最高品質で最高に喜ばれる下着」として7000円でも普通に買ってもらえるわけです。
これがターゲット設定の威力なんですよ!商品のコンセプトやブランディングにも関係してくる話になるので、商品の売れ行きにも大きく関わってくるんです。
3-1. ターゲット絞り込みの戦略的意味
中小企業がレッドオーシャンみたいな競争の激しい市場で、大企業と真正面からぶつかって広いターゲット層を狙っていくのは無謀です。経営リソース的に厳しいですよね。
パン屋の例で考えてみましょう
1000人の町に10件のパン屋があるとします。似たようなパン屋だと、1件あたり100人のお客さんしか獲得できません。
でも、ここでターゲットを絞り込みます。1000人のうち200人がフランスパン好きだとしたら?
フランスパン専門店として出店すれば、フランスパン好きの200人はまず専門店に行きたくなりますよね。フランスパン好きからしたら、色々扱っている中のフランスパンに行くよりも、やっぱりフランスパン専門店に行きたいわけです。
普通に参入すると100人取れるかどうか怪しかった市場で、ターゲットを絞ることで200人の市場を獲得できる可能性があるんです。重要なのは、絞り込んだターゲットの中においてもナンバーワンを取るということです。
3-2. ターゲティングの方法(セグメンテーション)
ターゲットを選ぶ前に、まずセグメンテーションが必要です。実際にどうやってターゲットを選定していくのかというと、ここでセグメンテーションの話が重要になってきます。
4つの軸で考えましょう:
1. 地理的セグメンテーション(ジオグラフィック)
- 店舗近隣にあるのか、X市内になるとか
- 近隣の住宅地帯とか
- 遠方とか全国とか海外
2. 人口統計的セグメンテーション(デモグラフィック)
- 性別:男性なのか女性なのか
- 年齢層:30代、40代、高齢者
- 所得:低所得者層とか富裕層
- 家族構成:ファミリー層とか夫婦のみとか単身世帯
- 職業:サラリーマンとか工場勤務とか在宅ワーカー
3. 心理的セグメンテーション(サイコグラフィック)
- ライフスタイル:仕事帰りによく飲みに行く人とか、家で食事をする人
- 価値観:健康志向が強いとか、本物志向があるとか、高品質志向であるとか
- 趣味:ダイエットを考えているとか
4. 行動的セグメンテーション(ビヘイビアル)
- 購入頻度:ヘビーユーザーなのかライトユーザーなのか
- 購入タイミング:平日に買う人なのか休日にまとめて買う人なのか
- 使用場面:朝専用、夜専用など
成功事例:ワンダモーニングショット
缶コーヒー市場という巨大で競争の激しい市場に、ある飲料メーカーが「朝専用」というセグメントで参入しました。カフェインの量を多くして朝の目覚めさせるというコンセプトで、朝の市場で爆発的にヒットして、今もロングセラーを続けています。
3-3. 整合性と具体例
なぜそのターゲットを選んだのかの理由が必要なんですよね。市場が成長してるからとか、全国平均と比べてとか、こういう理由があって今観光客が増えてるんだとか、そういう社会的背景も必要な場合があります。
何より重要なのは、そのターゲットがB社の強みに適合しているかどうかが非常に重要になります。
悪い例
- 若年層をターゲットにする
- 若年層はSNS・スマホをよく使ってる
- でもB社がSNSマーケティングが全く分かってない、インターネットに非常に弱い
→ このターゲットを選ぶのは間違ってる場合があります
良い例
店舗近隣に住む30代から40代の共働き子育て世代みたいなターゲットがいたとして、この世帯は非常に時間がないという悩みを抱えているので、価格よりもやっぱり時間短縮できるアイテムを求めているわけです。
ここでB社がレシピを考案して調理済みの食材を作ることができるみたいな強みを抱えてるんであれば、その新しい顧客層にまさに求めている商品を提案できそうですよね。
4. 製品・サービス戦略を完全攻略!
事例Ⅱはマーケティングの4Pでよく考えるケースが多いんですけども、Product、Price、Place、Promotionの中の、今回はProduct(製品・サービス)について掘り下げていきます。
4-1. 差別化の視点
この製品・サービスを展開していく上で重要なのがやっぱり差別化という話になってきます。どういった視点で差別化を図っていくかというところなんですけども、当然1つ目は強みを活かしていくという話になります。
B社の強みパターン
製品業の場合
- 品質の高さ
- 技術
- 伝統
サービス業の場合
- 接客の良さ
- お客さんの管理体制
- 接客面の良さ
ラインナップの特徴
総合スーパーみたいに何でも広く浅く取り揃えてますっていうよりかは、専門性のあるラインナップっていうのが強みになるケースがありますね。製品のカテゴリーは少ないけれども、その分野で専門的な商品が揃っていて、適した商品を提案できるほどのラインナップの深さがあるという面が強みになったりします。
地域密着の強み
- 地元の特産品を使ったアイテム
- 地元の伝統技術
- 地域資源との連携
重要な方向性
基本的に値段の安さとか機能がたくさんあるっていう路線では勝負していかないですね。そこは大企業の強みなので、そういった路線ではなく、どちらかというと情緒的な価値を提供していく方向です。
- 伝統を活かしたような商品が感情に訴えるような商品
- 体験価値
- 関係価値(お客さんとの関係性の良さ)
4-2. 商品開発企画
今までの商品・サービスからさらに顧客を拡張していくにあたっては、新しい商品の開発とか企画が必要になってくるケースが多いわけですね。
商品開発企画を考える上で絶対に必要なのが、やっぱりターゲットの設定になってきます。ターゲットがいなくて商品を企画するということは不可能なので、必ずここはセットになってきますね。
これをコンセプトという表現で言ってたりします。この「誰に何を」の概念は非常に密接な関係があります。
悪い例
顧客ニーズにあった商品を開発する
→ かなり抽象的ですよね
良い例
30代女性の時間短縮ニーズに応えるため、電子レンジですぐに調理可能な有機野菜を使った冷凍食品シリーズを開発する
→ かなり具体的!これがコンセプトになるわけです
実際の問題で考えてみよう
問題例
B社は地方都市で創業の和菓子店を営んでいます。若年層の和菓子離れが進む中、B社の強みを活かした新たな製品・サービス戦略を助言せよ。
この場合のポイントは、B社は創業の和菓子店です。ターゲットは若年なんですけども、和菓子離れが進んでいるわけです。B社の強みを活かした戦略を考えてくれということなので、若者受けするお菓子だけを作るっていうのじゃ、やっぱりそのB社の強みを活かせてないのでダメなわけですね。
戦略例
- 伝統×現代のミックス戦略
B社の伝統を活かした現代的にカスタマイズしたようなミックス戦略 - コラボレーション戦略
B社の伝統のブランドを活かしつつ洋菓子を開発する。洋菓子店とコラボレーションする - SNS映え戦略
若者がSNS映えするスイーツに興味があるという推測から、SNS映えする見た目やデザインを重視した季節限定商品を開発する - 共同開発戦略
地元大学の食品関係の学生と新商品開発コンテストを開催する。若者目線の商品開発自体をもう若者に依頼する
4-3. ブランド戦術
ここではあえてブランド戦略と言わずにブランド戦術という言い方をしています。なぜかって言うと、ブランディングとかブランド戦略の話になるとかなりレイヤーが上の話になってくるんですね。今ここで言ってる話は4Pのプロダクトの話なんですよ。
7つのブランド戦術
1. ライン拡張
単純に製品ラインナップを増やしましょうということで、分かりやすいのがイチゴ味を出しましょうということです。コカコーラがコカコーラゼロを出すみたいな感じです。
- メリット:既存のブランドを既存のカテゴリーに活かせる。お客さんを単純に増やして売上を増加させやすい
- デメリット:商品管理の手間が増える。在庫のリスクが高まる
2. ブランド拡張
有名な例で言うとAppleですかね。元々パソコンとかコンピューターをやってたAppleが音楽プレイヤーに進出したり、携帯電話とか腕時計に進出しました。
- メリット:既存のブランド名を活かしてマーケティングコストが抑えられる。今までの信頼を活かせる
- デメリット:新しい製品カテゴリーはノーハウが薄い。失敗するとブランド自体が毀損してしまう
3. マルチブランド
既存の商品カテゴリーに別ブランドを投入していくやり方。例えばP&Gがアリエールという洗剤を出してますけど、ボールドという別のブランドでも出すみたいな。
- メリット:ターゲットを広げることができる。同じ市場カテゴリーの中でマーケットシェアを増やしていくことができる
- デメリット:カニバリゼーション(共食い)のリスク
4. 新ブランド
全く新しい製品カテゴリーに新しいブランドで入っていきましょうということ。例えばソニーがゲーム産業にPlayStationっていうブランドで入っていったとか。
- メリット:既存のブランドの制約を受けずに思い切った新しいことができる。失敗しても既存ブランドのイメージ毀損リスクが少ない
- デメリット:ゼロからブランド認知活動をしないといけない。既存のブランド力を活かせない
5. 共ブランディング(コラボ)
要はコラボですね。ネスレとスターバックスが連携してネスカフェドルチェゲストスターバックスみたいなあの商品、ああいうやつを共同開発したりとか。
- メリット:双方のファンを取り込める
- デメリット:パワーバランスが崩れるとブランドイメージのバランスが難しい
6. ダブルブランド
メーカーブランドと商品ブランドを並べて提示するパターン。ソニーのウォークマンみたいな。朝日スーパードライとか。
- メリット:企業自体の信頼性も提供できるし、製品ブランド名を周知していくこともできる
- デメリット:両方のブランド2つを伝えていかないといけないのでマーケティングコストがかかる
7. プライベートブランド
セブンプレミアムみたいなやつですね。セブンイレブンがセブンイレブンブランドで商品展開してますよね。
- メリット:差別化の要素になる。より高収益率を出すことができる。自社ブランドの認知を高めていくことができる
- デメリット:ゼロから作り上げていくマーケティングコストがかかる。開発コスト、在庫リスクも抱える
まとめ!
ターゲット設定のポイント
- 絞り込みが基本:ターゲットをある程度絞り込むことで特定市場でのシェア獲得を目指していく
- 4つのセグメンテーション:地理的、人口統計的、心理的、行動的セグメンテーションの中からターゲットを具体的に設定していく
- 強みとの整合性:ターゲットが自社の強みときちんと整合性があるかどうかを確認する
- 競合分析:競合が参入できないポイントであればなお良し
製品・サービス戦略のポイント
- 誰に何を明確化:「誰に何を」っていうコンセプト面をしっかり明確にすることが必要
- 差別化戦略:強みを活かした差別化面、情緒的価値で勝負する
- ブランド戦術:7つのブランド戦術の知識もあればより具体的な回答が記述できる
ということで、今回はターゲット・製品サービスについて解説しました。どちらも非常に重要な話だっていうのが改めて認識できたんじゃないかなと思います。
記述する際には今回の知識を踏まえてより具体的に書くというのが重要になります。ただし文字数制限がありますので、そこのバランスがちょっと難しいところですね。あんまり具体的に書きすぎると当然文字が足りなくなっちゃいますので、一定の抽象度は残しつつかつ具体的に書くみたいな、そういったバランスが必要かなと思います。
どれぐらいの抽象度かっていうのをイメージで言うと、例えば「B社の強みである伝統技法と若手デザイナーとのコラボレーションによって、SNS映えする現代的なデザインの伝統工芸を開発する」みたいな、これぐらいの抽象度がちょうどいいバランスかなとは思います。
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