
こんにちは燦です。今回は事例Ⅱ完全攻略をやっていきます。
ほう。
事例Ⅱって、頑張っても得点が上がらないし、むしろ下がることもありますよね。
そうそう。やればやるほど迷子になる感じがする。
結論から言うと、思考方法に2つのルートがあって、世の中では片方しか教えられていないからです。
なん…だと…?
思考法に2ルートある。これを知るだけで事例Ⅱの解像度が変わります⇩
■動画
なぜ事例Ⅱは得点が安定しないのか
3つの思考法と「2ルート」の正体
高得点に必要なのはロジカルシンキング、つまり「因果関係のロジックをゴールに向かってまっすぐ繋ぐこと」です。そのロジカルシンキングの中に、実は2つのアプローチがあります。
① 演繹型アプローチ(理論派)
フレームワークや理論を積み上げてゴールにたどり着く方法。再現性・安定性が高く、マニュアル化しやすい。事例Ⅲ・事例Ⅳはこちらで解けます。
② 帰納型アプローチ(発想型)
現実を見て、そこから直接的に解決策を発想する方法。スピードが速く現実的だが、言語化・マニュアル化が難しい。事例Ⅰ・事例Ⅱはこちらも必須です。
じゃあ世の中の教材は演繹型ばかりってこと?
そうなんです。帰納型アプローチは「職人技」に近くて教えにくい。だから誰も語っていない。でも事例Ⅱで高得点を取るにはこちらが欠かせません。
2つのアプローチの特徴まとめ
演繹型アプローチ:道はまっすぐだが、ベクトルを間違えるとゴールを大きく外す。(例:数学・ミクロ経済学・プログラミング)
帰納型アプローチ:ゴールに直接向かえるが、なぜそうなるかの裏付けが乏しく再現性に欠ける。(例:マクロ経済・職人技・アスリートの感覚)
どちらが良い・悪いではなく、「発想と論理の往復思考」でこの2つを融合させることが事例Ⅱ攻略の本質です。
事例Ⅱの解き方:帰納型アプローチから始める
具体的な手順はこうです。
① 現状把握:与件文からB社のビジネスモデルをしっかり読み解く
② 本質課題の発見:現状から直接的に「何をすべきか」を発想する(帰納型)
③ 設問解釈で絞り込む:設問の目的・論点・制約条件を整理して回答を絞る(演繹型)
④ 記述の構成を考える:誰に・何を・どのように・効果、の型で記述する
この「現状把握 → 発想 → 絞り込み → 記述」の流れが、事例Ⅱを安定させる鍵です!
実践:平成21年度の事例Ⅱを解いてみる
商店街にあるスポーツ用品店B社が舞台。一般客や草野球・ママさんバレーへの販売と、近隣学校へのユニフォーム・体操服の卸売りを両輪にしてきたお店です。
現状把握(3C分析)
顧客(Customer):従来の一般客・草野球・ママさんバレー・学校生徒は減少傾向。一方、ジョギング・ウォーキングのランナーが増加し、フットサル人気も高まっている。
競合(Competitor):大手チェーン(幅広い品揃え+プロ向けの深い商品ラインナップ)と、カジュアルスポーツ店(若者向けおしゃれ路線)の2者。
自社(Company):丁寧な接客、学校・団体との深い交流、ミニコミ誌での試合結果報告、試合会場手配などの事務局機能が強み。裏に空き地あり。
これを見るだけで、なんとなく方向性が見えてくる気がする。
そうです!ビジネスモデルをしっかり把握できていれば、設問を読む前にある程度の解答の方向性が頭に浮かぶはずです。それが帰納型アプローチです。
戦略の方向性を発想する(アンゾフのマトリクス)
① 既存サービス×既存顧客:市場縮小中のため強化は難しい
② 既存サービス×新規顧客:フットサル向けに既存の事務局機能を転用できる(有力)
③ 新サービス×既存顧客:ママさんバレーなどへの新提案(可能性あり)
④ 新サービス×新規顧客:市民マラソン参加者向けに新事業展開(有力)
第1問:競合2者に対するB社の差別化戦略(2つ)
大手チェーンへの差別化:商品ラインナップでは勝てないため、商品以外で差別化。草野球・ママさんバレーの事務局運営、試合会場手配、ミニコミ誌での試合結果報告など、お客さんとの深い「交流・関係性」が武器。
カジュアルスポーツ店への差別化:おしゃれ路線で競合しない。団体ごとのニーズに応じたユニフォーム・用品のカスタマイズ提案と、チームへの一括納品体制という「法人・チーム対応力」で差別化する。
第2問:新たにターゲットとすべき顧客層(2つ)
① ウォーキング・ジョギングを行うランナーや市民マラソン参加者
② フットサルのリーグ戦を行う大学生チームやジュニア・中高年層
高齢者って書かなくていいの?増えてるって書いてあったけど。
後の設問との整合性があるので、あえて外しています。後で説明しますね。
第3問①:自社だけで行えるサービス事業
設問解釈のポイントを整理します。
・質問内容:どんな新事業をするか(これに答えないと0点)
・論点:集客面・供給面・継続面(ロイヤルティ向上)の3つを考える
・制約条件:自社単独・物販でなくサービス事業であること
・メタ分析:設問②がランナー向けになるため、設問①はフットサル向けに集中
→ 解答の方向性:既存の草野球・ママさんバレー向け事務局機能を、フットサルに横展開する
解答例:フットサルチームに試合会場の手配や試合マッチングの事務局サービスを行う。B社主催リーグ戦の企画・運営を実施し、試合結果や日程をミニコミ誌・ホームページで発信する。フットサルコミュニティの拠点として認知とロイヤルティを高め、ユニフォーム等の継続販売につなげていく。
フットサルコートを作るって回答じゃダメなの?
それは現実的ではないですね。商店街の裏地にフットサルコート1面分(800㎡超)が確保できるかも疑問ですし、運営ノウハウも費用(億円単位)も現実的ではありません。設問②との整合性もなくなります。
第3問②:銭湯との共同サービス事業
設問解釈のポイントを整理します。
・制約条件:銭湯との共同事業・サービス事業であること
・メタ分析:設問①がフットサル向けなので、こちらはランナー向けに集中
・ポイント:銭湯側のメリットも考えた上で提案すること
→ 解答の方向性:ランナーが増えて混雑する銭湯と、B社の空き地を活用したシャワー・交流施設を共同設置
・銭湯側のメリット:新施設に食事どころを設けて客単価を向上。既存の高齢者客は元の銭湯で維持。
・B社側のメリット:隣接する交流スペースにランナーを集め、ランニング用品の購買動線をつくる
ちなみに第2問でターゲットに「高齢者」を入れなかったのはここの整合性のためです。銭湯の既存高齢者客はB社の新施設には来ない想定なので、ターゲットはあくまでランナー客。設問同士の一貫性が大事です。
解答例:B社保有の空き地を銭湯に賃貸し、ランナー向けシャワー・更衣施設を共同設置する。①銭湯は食事どころも設けて客単価を向上しつつ、既存の高齢者客は元の銭湯で維持する。②B社は交流スペースを設置してランナーの集客拠点とし、ランニング用品の継続販売につなげていく。
第4問:インターネットを活用したコミュニケーション施策
設問解釈のポイントを整理します。
・質問内容:インターネットを使ったコミュニケーション方法(これ以外は0点)
・論点:認知面・訴求面・継続面の3つ
・制約条件:オンライン施策であること、自社PR以外の施策を考えること
・メタ分析:与件文で半ページ使って書かれた市民マラソンに必ず触れること(ここしかない)
・記述の方針:地域内と地域外でターゲットが違うので分けて書く(150字を有効活用)
解答例:地域内のスポーツチーム向けにミニコミ情報をウェブサイトでも発信してアクセスを集め、掲示板でメンバー募集や交流の場を提供する。地域外には市民マラソンの開催情報・観光スポット・街並み情報を発信し、掲示板で全国ランナーとの情報交換や質問対応を行い、地域内外との双方向コミュニケーションを図る。
事例Ⅱがなぜ難しいか、少しイメージできましたか?
フレームワークだけで解こうとしてたのがそもそも間違いだったんだな。
そうです。ビジネスモデルを把握して発想する「帰納型アプローチ」と、設問解釈で絞り込む「演繹型アプローチ」。この2つを往復させることが事例Ⅱ攻略の本質です。
知識と経験を積みながら、ビジネスモデルを読み解く力を鍛えていく。そうすることで、どんな事例が来ても「なんとなくこっちの方向だよな」という発想が自然と出てくるようになります。
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事例Ⅳ特集 過去問から得られる3つのスキルと立ちふさがる3つの問題
■2次試験研究所
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