
こんにちは燦です。事例Ⅲ動画の記事解説です。
YouTubeは割と人気動画になっているね。
事例Ⅲマスターガイドも実は結構読まれてます。
やはり事例Ⅲは非製造業種の人にはイメージがわきにくいからかな?
■動画
事例Ⅲは回答を安定させやすい
事例Ⅲは他の事例と比べて、回答をかなり安定させることができます。その理由は主に3つ。
① 業種が限られている
C社は「工場を持つ製造業」一択。製造業で重要な概念はQCD(品質・コスト・デリバリー)です。ただし試験問題においてQ(品質)とC(コスト)に関する出題はほとんど出ません。品質向上や原価低減の具体的施策はその道の専門家でないとアドバイスが難しいからです。結果としてメインテーマはほぼ「D=Delivery(納期・供給体制)の改善」一択になります。
② 設問の構成がほぼ同じ
近年の事例Ⅲは大体5問構成。第1問が内部・外部分析、第2〜3問が生産改善、第4問に変則問題(デジタル化・在庫削減・価格交渉など)、第5問が経営戦略、というワンパターンな流れです。
③ メインテーマはほぼデリバリー改善
生産管理・生産性向上・リードタイム短縮・供給体制の整備が繰り返し問われます。
それでもなぜ難しいのか
問題パターンが絞られているのに、なぜ苦戦する人が多いのでしょうか。
確かに、パターンは分かってるつもりなんだけどな。
それは「2つの思考」が身についていないからなんです。
思考①:構造化思考
目的から施策まで「層(レイヤー)」を分けて整理する考え方です。イメージはマインドマップ。
取引拡大(大目的)
└ デリバリー改善
├ 生産管理の強化
│ ├ 生産計画の精度向上
│ └ 生産統制の徹底
└ 生産性の向上
├ ボトルネックの解消
└ 段取り改善
└ 同期化・標準化・自動化(施策)
QCDや生産計画や施策が同じレイヤーでごちゃ混ぜになっていると整理できません。この階層構造を頭に入れておくことが第一歩です。
思考②:課題解決型思考
施策を「原因究明」からスタートして導く考え方です。施策と目的の間に因果関係がつながっていることが重要です。
欠品が起きてる → 設備投資して生産量増やせばいいじゃん!
それ、原因究明ができていない典型例です。生産管理がずさんなままでは設備を増やしても欠品は解決しません。
⭕ 正しい思考の流れ:
欠品が起きている → なぜ? → 生産計画の精度が低い、営業と生産の情報連携がない → 月次計画を短サイクル化し情報をデジタル共有 → 生産管理が改善 → 欠品解消 → 取引拡大
原因究明をしっかりやれば、施策から目的まで因果関係で一本につながります。これが課題解決型思考の本質です。
実践:平成21年度の事例Ⅲを解いてみる
木製家具メーカー(テーブル・椅子)のC社が舞台。全国300店のインテリアショップへ直販という強みを持ちます。
与件文チェックのポイント
「なお」「また」「ちなみに」という表現はあえてつけられた補足情報。→ 回答に入ってくる可能性が高い要注意フレーズです。
この事例でピックアップすべき問題点はこちら。
- 営業部門が販売だけでなく在庫管理・出荷業務も兼務している
- アイテム数が170と多く、ほとんど出荷されない死に筋商品も存在
- 生産計画は月1回だが、営業部門との定期的な情報共有がない
- ボトルネック工程が機械加工工程と明示されている
- ロット生産が月間予測量を大幅に上回り、過剰在庫と欠品が同時発生という典型的な問題
- 各工程が現場任せで全体管理が機能しておらず、リードタイムが半月〜1.5ヶ月とバラバラ
- 新規に大手インテリア用品企業とのOEM取引が始まり、受注生産方式への対応が課題
第1問:業績を維持できている理由(強み)
販売面の強み:家具問屋を通さず、需要が安定しているインテリアショップ300店へ直販。家具専門店が低迷する中でも影響を受けていない。
製品面の強み:有害物質を含まない安全素材にこだわった独自コンセプトで、子育て世代の主婦層から支持されている差別化された製品力。(1ヶ月待ってでも買いたいというお客さんがいるのがその証拠!)
第2問①:在庫滞留と欠品の原因
3つの原因が挙げられます。
① 生産ロットサイズが月間予測販売量を超過している(1日100〜150個生産 vs 月間予測15〜20個)
② 営業部門と生産部門の情報連携がなく、生産計画の精度が低い(在庫管理をしている営業と生産が連携していない)
③ アイテム数が多すぎる(在庫管理・オペレーションの複雑化を招いている)
作りすぎてるのに欠品も起きてるってどういうこと?
作るものが偏っているからです。売れない在庫が積み上がる一方で、本来作るべきものが作れていない状態です。
第2問②:対策
原因それぞれに対応する対策を書けばOKです。
① 月間販売予測量に基づく生産ロットの適正化(小ロット化)
② 営業〜生産間の情報共有強化・生産計画の短サイクル化・在庫管理の徹底
③ 出荷実績の少ない死に筋アイテムの廃番検討
→ 必要な量だけ生産し、過剰在庫と欠品を同時に防ぐ。
第3問①:OEM取引のメリット
① 売上・利益の増加(新規販路開拓・経営リスク分散)
② ノウハウの獲得(新たな生産方式・品質管理・納期対応の経験。製造業がノウハウを積む最大のチャンス!)
③ 在庫リスクの軽減(OEM先が在庫を引き取るため、自社在庫リスクが低減)
第3問②:OEM対応に向けた課題と対策
受注生産では「納期遵守」が絶対条件になります。納期遅延のダメージは元請け会社に直撃するため、厳しく管理が求められます。
① 機械加工工程のボトルネック解消→ 生産能力の向上
② 工程の一元管理と作業負荷の平準化→ リードタイムを安定化(半月〜1.5ヶ月のバラつきを解消)
③ IT活用による情報共有・進捗管理の強化
第4問:見込み生産と受注生産の違い(情報面・管理面)
見込み生産:需要予測・在庫情報が重要 → 予測精度向上・現品管理が必要
受注生産:納期情報・進捗情報が重要 → 受注管理・外注管理・工程管理が必要
設問に「情報面と管理面から述べよ」と書いてある場合は、必ずその軸に沿って書きましょう。
令和に入ってから事例Ⅲの難度がどんどん上がっています。
確かに最近の問題はわかりづらいよな。
パターンが見えてきて採点で差がつきにくくなったから、問いを複雑にして差をつけているんですよ。でも構造化思考と課題解決型思考が身についていれば怖くない!
表面的なテクニックを覚えるのではなく、繰り返しの鍛錬でこの思考法を体に染み込ませること。それが事例Ⅲ攻略の本質であり、診断士として活躍するための本当の基礎力になります。
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