こんにちは燦です。
試験合格の喜びも束の間、いよいよ実務補習ですね。
これが噂の3次試験?
今回は実務補習についてどんな感じかポイントをまとめておきます。
そんな予習とかいる?
いらんっしょ。
毎回その不良キャラ、なんなんですか?
知っておいた方がなにかとスムーズにいきますから…。
実務補習の流れ
■1日目(金曜日)
メンバー集合(打ち合わせ)
➔ 顧客に訪問&ヒアリング
➔ メンバーで打ち合わせ
■2日目(土曜日)☆重要☆
会議室にメンバー集合
➔ 方向性決める
◆◆自習期間◆◆
■3日目(土曜日)
会議室にメンバー集合
➔ 大枠完成
■4日目(日曜日)
会議室にメンバー集合
➔ マージ&印刷
マージとはみんながそれぞれ作成したワードの資料を一つにくっつける作業のことです。
■5日目(月曜日)
全実務補習生の集合場所に集合(東京だと両国KFCビル)
➔ プレゼン練習など
➔ 顧客に訪問&報告
➔ 打ち上げ等
代表的な流れでいくとこんな感じでしょうか。
違う流れになることもあるの?
進捗具合は早まったり遅まったり班によってまちまちです。
またオンライン化する場合もありますね。
けっこう状況に合わせて流動的です。
参加する人たち
■指導員
ベテラン診断士が付きます。(協会の支部長クラスとか)
またもう1名、副指導員の先生が付くこともあります。
基本的に指導員の先生の指示に従って動きます。
スケジュールや移動や会場などについては細かく指示がありますが、診断内容についてはアドバイザー役、軌道修正役になる場合が多いと思います。
実務補習の負荷は指導員の方針によって大きく変動します。
負荷がかかるからダメというわけではなく、ハイレベルな指導と的確迅速なチェック体制でビシバシやってくれる感じだとむしろ当たりだと思います。
■診断先顧客
商店街、製造業、建設業、小売業、サービス業など様々です。
指導員の顧問先で、過去にも実務補習診断を受けた経験がある顧客も多いと思います。
私の場合は、1回目は建設業(指導員の顧問先)、2回目は製造業(指導員の顧問先)でした。
共に過去に実務補習診断を受けられた経験有りです。
顧客の情報に関しては守秘義務が課せられます。
例えば特定出来るようなSNS発信等は禁止です。
また顧客と名刺交換することも出来ないと思います。
実務補習者が顧客と直接に勝手にコンタクトを取ることも禁止です。
あくまで協会から派遣された一中小企業診断士実務補習員として相対します。
また実務補習を複数回受ける場合、出来るだけ顧客の業種が重複しないように配慮される様です。
■実務補習メンバー
補習に参加する私達です。
大体5~6人います。6人の方が1人あたりの負担が減るので楽です。
みんな大体優秀です。
基本的に指導員の活動区域にアクセスの良いメンバーが集められます。
実務補習経験1回目、2回目、3回目の人が混在しますが、基本的には試験合格生の全体の動きに沿うので、同期合格者で実務補習経験回数も同じ人が集まりやすいです。
役割分担
メンバーの役割を決めます。
■リーダー(班長)
打ち合わせ時のファシリテーションや全体の進捗管理、報告会時の冒頭挨拶などを行います。
重要な役です。
例えば報告書作成の担当パートを振り分ける時などに、何かまだやらないといけないことがあって、それを誰に振り分けるかというシーン。
みんなが「俺の負担すでにでけーし無理…」とか思ってると誰も手をあげないまま、譲り合いになったとします。
そういうときに、じゃあ○○さんやってもらえます?と言って物事を決定して進展させていく役割なども求められるところです。
立候補で決めますが、複数回目の経験者かつリーダー未経験者がやることが多いです。
■会計役
この実務補習での費用を管理します。(印刷代とか移動費とか)
最初に全員からお金を集めておいてそこから支払って最後に余った分(あるいは不足分)を精算するのがいいです。
※これ以降の役割も初日の診断先訪問前に分担しますが、社長面談時に質問(ヒアリング)内容がかぶらないようにするのが主目的で、実際の執筆役とは一致しないこともあります。
■経営管理担当
経営全般のパートを担当します。
総括、SWOT分析、提言チャート、承継問題、組織体制とか。
大体リーダーがやる感じです。
■財務管理担当
財務分析を担当します。
CVP、投資計画とか。
負担は若干重めですが、やることが明確なので割とやりやすいです。
金融業界のメンバーが大体1人はいると思いますが、そういう方はいつもの業務すぎるので財務担当はあえてやらないことが多い気がします。
McSSという謎ソフトを駆使して戦います。
■労務管理担当
人事面、評価体制・制度、モチベーション状況などを分析します。
■営業管理担当
売上推移や顧客の分析、販売戦略などを担当します。
■工程(施工)管理担当
工程分析をして現状把握や生産性を上げる方策などを考えます。
■情報管理担当
IT活用状況を確認して、情報システムの提案などを行ったりします。
■原価管理担当
コストの管理状況を確認して、利益化できるような施策や管理方法を検討します。
などです。診断先の業種によって必須の役割も違ってきます。
経営、財務、情報、労務あたりはスタメンだと思います。
McSSってなに?
最近、実務補習でも導入された財務分析ソフトです。
CRDビジネスサポート㈱のシステムを使用します。
財務担当の人以外は使わなくてもいいですが、本来有料のサービスで実務補習中は無料で少し使えます。せっかくなので練習的に使ってみてもいいかもしれません。
これに関してはまだ利用年数が浅く、先生達もよくわかっていないケースが多いので手探りでやっていく感じになる可能性があります。
とりあえずログインします。
IDとパスワードは、実務補習時に配布されるMcSSの資料に載っていたと思います。
実務補習を受ける年度や月とかで決まったパスワードがあるはずです。
私はもうログイン出来ないので記憶でお伝えします。すみません。
ログインすると150Pくらいの初期ポイントが付与されています。
(早すぎるとまだ付与されてなくて少し待った記憶もあります)
このポイントが本来は課金サービスとなっています。
実務補習生に限り初期ポイントが特別に与えられるみたいな感じです。
一通りの分析出力サービス(6種類の分析)を使うとぴったり付与された全ポイントを消費することになります。
ミスるとポイントは返ってこないので詰みます。
その場合、他の人に出力を頼まないといけないと思います。
6種の内、以下3種はマストだった気がします。
・経営診断報告書
・財務バランスチェック
・財務指標一覧算出結果
※ただ客先提出の報告書には添付しなかったはず。
また財務バランスのレーダーチャートは協会提出用などに用います。
ですが、残りの3種(将来シミュレーション)はマストではないです。
将来シミュレーションをしないならポイントは余ります。
【使い方】
・業種を選ぶ(分類をしっかり確認しておきましょう、全然違う比較データになってしまいます)
・整理番号みたいなやつを入力(自分が管理するためのメモと考えてOK)
・決算のPLとBSの数字を手入力で埋めていく
・必要な分析種類を選択して「実行」
・分析されたPDFファイルがもらえます
・それをみて財務分析したり、協会提出用の添付資料になったりします
・データが出せればもうMcSSには用はありません
同業社のデータと比較して、当社がどの位置にいるかの評価やキャッシュフロー計算などを一瞬で出してくれる点は便利!
【注意点】
面倒かと思うかもしれませんが、決算書の数字は一度エクセルに打ち込んでからそれをMcSSに入力した方が絶対にいいです。
McSSには自動計算機能がありません。
なにかの項目の数字を調整したりすることになった場合、何か一つでも数字をいじると、小計、合計、純資産計、負債計など全てまた手計算で変えないといけません。
エクセルに打ち込んで式を入れておくのがオススメです。
そのエクセルのデータを用いてまた後にCVP分析などをしますので損はしません。
また苦労してデータを入力したあとに変な操作をすると全部消えてしまうこともあります。(出力前にデータを保存しようと思って何かしたら全部消えた)
へ~。大量のデータからすぐに財務報告書みたいな分析結果を出してくれるなら、今後有料課金してでも使えるのでは?
まぁそれが狙いなんでしょうけど、精度的にどうだろう…。
業界の分類と決算項目が単調なら有りかもしれません。
またなんとなく分析した感のデータが得られるので顧客満足"感"はありそうですけど。
理想的な進み方とポイント
それぞれのやり方があると思うので答えはないかもしれませんが、こうなっていれば理想…というポイントをあげておきます。
全部を出来ていなくても全然問題ありません。
■超重要の意思疎通ツール
SlackやChatworkを使えば便利です。
知らない人のために簡単にいうと、ワードやエクセルデータを添付できるLINEみたいなチャットソフトです。
コミュニーケーションが非常にやりやすいです。
診断士活動する上で、どうせ必要なので使って慣れておきましょう。
メールで意思疎通は出来なくもないですが、ちょっと大変です。
データの共有はDropboxが定番です。誰がどこまで進んでるかなどもわかります。
実務補習くらいなら全て無料版で事足ります。
全員がこの辺のソフトを全て知らないという状況だと若干詰んでます。
テレパシーでいきましょう。
■1日目(ヒアリング)
何日か前にメールでのコンタクトが始まりますので、初回集まる前に以下のことをしておけばスムーズです。
・自己紹介(属性の開示)でメンバーの把握
・テキストの読み込み
・診断先企業説明の読み込み
・診断先企業に関する事前質問(指導員が知っている範囲で聞く)
・ZOOMでの顔合わせ
・当日の役割分担を先に決めておく
〈診断先訪問〉
タイムキーパーをつけて全役割が時間内に聞けるようにする
ここでしかほぼヒアリングする機会がないので余さず聞きましょう。
〈訪問終了後〉
財務担当は、決算書からMcSSの財務分析をこの日中に行っておく
■2日目 (方針決定)☆重要☆
ここで実務補習の命運が決します。
目次の作成と執筆の役割を振り分けられれば◎
また項目番号の付け方、段落の付け方、数字の半角全角、フォント、文字の大きさ、図表番号の付け方、単語の統一、呼び名の統一など細かすぎるほどルールを設定した方がいいです。絶対にあとが楽です。
■自習期間
この間(普通に平日だが)に各自執筆を行う。
本文は大体一人15ページくらいを担当して、あとは添付資料の作成なども必要。
水曜夜くらいにZOOMで進捗すり合わせとかするとGOOD!
進捗早い人が進捗遅い人のカバーなど出来ればGREAT!
なに?忙しくてほとんど何も出来てません??
うるせぇ!みんな忙しいからっ!!
実際は個人差あるけどね…
■3日目(マージ)
この時点で初稿が出来ていれば最高!
午前中に各自のパートを報告して、午後くらいからマージ開始。(PCに強い人が望ましい)
ここでみんなの執筆ルールがバラバラだとマジマージです。
マージする人以外のメンバーで表紙、提言チャート、エクセル報告書などを作成。
こうなるとまったり楽勝ムードです。
しかし2日目で方向性が全然定まらなかったとき
自習期間中に全然執筆が出来ていなかったとき
情報共有が不足しており内容にズレが生じていたとき
こういう場合、かなり厳しい展開になります。
最悪、2日目と同じ議論が繰り広げられます。
■4日目(製本まで)
指導員によっては報告書とは別に、プレゼン用の資料作成を指示します。
それをせっせと作成したりもします。
マージした完成原稿やその他の添付資料の誤字、脱字、項目番号や文字のゆらぎなどを確認して印刷していきます。
■5日目(報告会)
診断協会に出来上がった報告書などを提出します。
きちんと協会のフォーマットに従っているかチェックされます。
メンバーはプレゼンの練習をしたりします。
時間がくれば客先に訪問して(Webの可能性もあります)、メンバー全員で代わり番こでプレゼンします。
診断先には通常、製本した診断報告書を提出します。
それで終わりです。
コロナ禍だと公式的には打ち上げ禁止かもしれませんね…。
※私の時(2回目)は、診断先企業の建屋でコロナ陽性者がでて急遽オンライン報告会になりました。製本を急ぐ必要がなくなったので、報告書は診断協会に提出後、つまり5日目の最後にキンコーズで製本しました(それが一番間違いが少ない)。報告書は後日診断先に先生から提出してもらう形となりました。
費用面
印刷費用が高いです。
キンコーズでやるのが通例のようになってますが、1部が100ページ以上とかあったりして、製本費用なども合わせて4000円/部くらいかかります。
ほんの少しでも変なズレや誤字などがあるとさらに4000円…。
指導員や副指導員の分など合わせるとけっこうかかります。
幸い協会提出用はデータ(USBメモリ)でOKになりましたので助かります。
メンバーもよほど冊子で欲しい人がいなければデータで共有するのがいいです。
またメンバーの誰かがプリンターを持っていると非常に安くできます。
インク代だけ割り勘する感じです。
ただし印刷速度が遅いので印刷だけで半日くらいかかると思います。
実際にどうするかは指導員やメンバーと相談して決めてください。
ちなみに協会からは支給金として5000円出ます。
5000円じゃ全然足りないんですけど…。
なんだかんだ忙しいし大変だけど、とても実りある実務補習になると思います。
貴重な体験になりますので是非楽しんでやってください!
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