こんにちは!燦です。
前回にIS-LM曲線やAD-AS曲線をやりましたが、IS-LM以前のグラフも一応振り返ってやっておきますか。
復習じゃね。
目次
1.IS曲線の導出
まずIS曲線。
全ての始まりは、45°総供給線と消費性向を表した総需要線のグラフじゃね。(左図)
はい、このグラフは大丈夫ですかね?GDP三面等価の原則と消費関数から導いた総需要線と45°総供給線の交点が、均衡国民所得になるやつです。
たぶん大丈夫…。
あんまり基礎まで振り返ってもあれなので話を進めますが、金利が下がれば投資は増えると思いますか?
増えると思う。金利が5%なら、期待収益率4%の投資案件は出来ないけど、もし金利が3%なら、同じ期待収益率4%の投資案件でも出来るようになるもんね。
というわけで、金利が下げれば投資が増える。つまり総需要線の切片が上に移動するということ。(右上図)
ってことは、金利が下がるほど需給線の交点が右に移動していくからGDPも増えていく。
グラフの縦軸を利子率(金利)にすれば、右下がりのIS曲線の出来上がりじゃね。(右下図)
2.LM曲線の導出
次に、LM曲線です。
LMのところがちょっとわかりにくいんよね。
要はお金の流通量(マネーサプライ)とGDPの話です。まず利子率とお金の供給の関係を見ます。(左図)
まっすぐ縦棒になってるね。
まぁこれは金利とお金の量(マネーサプライ)は関係ないってことですよね。金利が3%だろうが5%だろうが100万円は100万円です。重要なのは「実質の貨幣供給量」ってことでしょうか。
名目の貨幣量を物価で割ったやつだね。物価が同じなら100万円を200万円に増やすってことでこの縦棒は右にズレる。
はい、物価の話はまたAD曲線の時に出てきますので、とりあえず忘れてください。
で、こっちの貨幣の需要線の方は?
また問題です。利子率が下がればお金の需要は増えますか?減りますか?
そりゃ増えるじゃね?利子率が下がるって国債とかの利回りも下がることでしょ。
それなら国債の魅力が低下して、便利な現金の方がいいやってなる。
はい正解です!それを貨幣の投機的需要っていいます。
じゃあ仮に国債の利回りが0%になったらどうします?
もう国債を持つ理由は皆無になるから全人類が現金に変えようとするんじゃね?
はい、極めて低金利だとあり得る話です。つまり金利がもうこれ以上下がらず、とにかく貨幣需要が増える世界。 これを「流動性の罠」といいます。(実は日本はこれに近い状態)
そうなると貨幣の需要線は水平になってしまうの~。
ですね。さて、それともう一つ貨幣の取引需要があります。
取引需要?
さっき利子率(金利)が下がったら投資が増えるって話がありましたよね。つまりGDPが増えるんですよ。
好景気な感じ?
そのイメージでOKです。GDPが増えるとますます投資が活発になり、お金の必要性が高まります。 つまり貨幣の需要線が右に移動するんです。
そうなると、貨幣の供給線との交点が上に移動するな。
はい、つまり利子率が上がっちゃうんですね。グラフの解釈上はそうです。
だけど単純に国債が売られすぎて金利が上がるとか、景気が良いので銀行が貸し出し金利を上げたというイメージでもOKです。
最終的に、金利とGDPが同時に上がっていく右肩上りの相関グラフが書けるわけじゃね。(上の右図)
それがLM曲線というわけすね。
もし貨幣の需要線が「流動性の罠」状態であったなら、その部分では右シフトしても金利は上りませんのでLM曲線も水平になりますね。(↓)
以上、IS曲線とLM曲線の導出のおさらいでした。
これが後に出てくるグラフ全体像の1階の部分の話じゃね。
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