動画版UP
どもども燦です。
前回はショックだったわ。
今回は二次試験を中心に10年統計を分析します。
良い話でよろしく!
結果はこんな感じでした。
目次
※ 2.以降の合格率は合格者/申込者となっています。
1.TOTAL合格率は19.9%
申込者: 51,653人
受験者: 49,583人
全科目受験: 49,441人
筆記合格者: 9,907人
口述合格者: 9,886人
やっぱり合格率は20%くらいになります。ちなみに筆記試験合格者が20.0%で、口述試験も含めて二次試験としての合格者が19.9%となります。
筆記試験に合格(9907人)すれば口述試験は合格(9886人)率は、99.8%か…。基本的に口述試験は受かるというわけじゃね。
あと二次試験となると申込者の殆どがさすがにちゃんと受験しにきとるの。
はい、令和2年度も(コロナ禍とはいえ)9割の人が受験しにきていますよ。というわけで二次の筆記試験の方が最大の山場です。受験者数と合格率推移も出しておきましょうか。
むむ!近年は一次の合格者数が増えとるから当然二次の受験者数も増えとるが、合格率は20%弱からそこまで落ちてないな。
はい、そうですね。二次の競争激化が懸念されるところでしたが、実際のところ合格率の低下は微々たるもので、受験者数の増加に伴い合格者数も確かに増加しています。
なーんじゃ。前回は驚かしおって、ちょっとホッとしたわい。
この傾向が続くがいいですね。世の中的に中小企業の経営は今後も益々厳しくなるでしょうから、国としても中小企業診断士の増員を強化傾向かもしれません。チャンスですね。
よし、俄然やる気がでてきたぞ。
2.年齢別の合格率に顕著な傾向有り
次にこれを見てください。
むむっ。歳を取ると合格率が落ちてないか。
はい。まず一次試験においては20歳以下と70歳以上は合格率が低いですね。
若い学生は仕方ないじゃろう、学業でいっぱいいっぱいだろうし。また70歳以上も記憶力という意味ではどうしても不利じゃろうね。
確かにそうですね。でも二次試験は年齢とともにどんどん合格率が落ちていますね。
二次筆記試験は記憶力というよりは、論理的思考と記述能力じゃよね?人生経験を積むほど不合格になるとはこれ如何に?
二次筆記試験に重要な要素の一つとして、『解答の素直さ』が求められます。もしかすると『経験』こそが足枷になっているのかもしれません。個人的な感覚にはなりますが、20~30代の人を説得するのと60~70代の人を説得するのに難易度がかなり違います。長い経験で固着した思考回路は良くも悪くもなかなか変えられませんから。
うーん。俄然やる気がなくなってきたぞ。
YOU素直になっちゃいなよ!
3.男女別でも大きな違いあり
今度はこれです!
けっこう差が顕著だな。特に女性に一次試験と二次試験で大きな差があるぞ。
女性の一次試験合格率11.6%に対し、二次試験合格率は22.7%。これは絶対何か理由がありそうですね。
一次試験の合格率が低い理由はなんとなくわかるかも。そもそも経営、財務、工場、経済、IT、法律、政策とか何一つ女性に興味ありそうなものが無いし、試験問題独特の難解な言い回し、あれは完全に左脳の世界じゃ。
一次試験と女性の相性が悪いのはわかります。でも二次試験は逆にすごいですね!
さっきいってた『解答の素直さ』か…?
はい二次試験は、論理的思考も必要ですが、何よりも事例企業の経営者に如何に寄り添えるかも重要になります。現実のコンサルだってそうですよね。高尚な理論を語られるより、経営者と同じ目線に立って具体的にアドバイスして欲しいはずです。
共感力か。それに関しちゃ女性のチート能力に男性が勝てるはずもないな。
あと冗談かと思うかもしれませんが、女性の方が比較的、字が丁寧で綺麗だからというのもあると思います。
そんなバカな。字の綺麗さが加点要素になっているとでも?
採点者は人間です。感情もあれば疲労もあります。短期間で何百枚も採点する中でぐっちゃぐちゃの字と綺麗な字、同じ内容だとしたらどちらを選びますかね?
う~む。そういわれてみれば…。
割と真面目な話です。綺麗なフォントや見やすい資料を作るデザイン力がビジネスやコンサルで無視しても良いと考える方がおかしいでしょう。
いくか…ペン習字…。
4.職種別の合格率から見えること
職種によって合格率に差異はあるのでしょうか?最後にこれを見てください。
ふむふむ、これもけっこう差異が生まれとるね。
まず民間企業の受験者ですが、この人達が最も多く、最も平均な値です。これをベンチマークに見ると、政府系金融機関と税理士会計士の合格率が高いですね。
やはり元々ハイスペックなのと、資格試験慣れしているってのもありそうじゃね。
一次試験に着目すると、学生と中小支援機関が低いですね。
学生は前述の通り、社会経験がないのと学業が忙しくしょうがないか、中小支援機関は中小企業診断士の実務に近そうなのに低いのはなんでじゃろね。
一般企業には殆どないですが、支援機関や金融機関には中小企業診断士資格の奨励制度が多いと聞きます。会社に言われて仕方なくとりあえず受験したって人も多いのかもしれませんね。
やらされたのでは、勉強のモチベーションも上がらず一次試験は少し手ごわくなるかな。
今度は二次試験に注目すると、一次試験から合格率が跳ね上がってるケースがいくつかありますね。
女性で見られたパターンじゃな。学生、政府系金融機関、コンサル企業なんかはそうじゃね。
この跳ね上がりは無視出来ませんね。コンサル自営業の合格率が低いことにも関係がありそうです。
つまり、高齢者の二次合格者が低いのと同じで、経験則の『我流』は点数が伸びず、学生のように社会に染まっていない『素直さ』さがいいといいわけか?
政府系金融機関やコンサル企業はなぜ二次試験に強いんじゃ?
金融機関の人は、まず財務会計に強いですよね。それだけでもかなりのアドバンテージです。二次試験の事例4は財務会計の問題ですので、ここで如何に点数を稼ぐかが合格のカギと言われています。私も数字に強めですので、事例4に救われた点は大きいと思っています。
ふむ。コンサル企業の人は?
こちらは事例1~3で点数を稼いでそうです。勝手な推測ですが、民間コンサル企業では経営学の理論に基づくフレームワークを自然と叩き込まれていて、アウトプットが得意なのではないかと思います。具体的提案をわかりやすく記述・プレゼンする能力ですね。普通の企業にいると基本的にはその辺りを教わりませんから。
なるほどね。二次試験に合格しやすいと推測される要素をまとめておこうか。
①経験則は逆効果
②経営者への共感力
③綺麗な字
④我流ではなく素直さ
⑤財務会計への耐性
⑥提案をわかりやすく表現する能力
5.恣意的な合格調整?
ちと気になることがありまして。
なんじゃいな?
地域別の合格率もでているんですが、一次試験の標準偏差は2%弱、二次試験の標準偏差は1%弱なんですよ。
はあ、それが何か?
地域別の合格率の違いは当然、年齢別、男女別や職種別のように大きな差は出ません。受験する場所が違うだけですから。
ただ一次試験において都市部の方が合格率が高いです。
ほう、まぁ都市部の方が大企業が多いからね。統計的に優秀な人も多いのでは?
そうかもしれません。ですがこれを見てください。
んー、あれ?なんで一次試験と二次試験でバラつきが変わるのか確かに不思議じゃね。少なくとも一次試験の合格率は調整不可のガチの確率じゃ。
もちろん、単なるバラつきの気まぐれかもしれません。でも職種別合格率で見た通り、一次試験が良ければ基本二次試験も良くなるはずです。
都市部に優秀な人が集まってるから一次試験合格率が高い→わかる。二次試験合格率は全国と差が縮まっている→わからない。
そのことから考えられることはなんじゃ?
やはり二次試験の恣意的な得点調整…でしょうか。
いやいや、相対的に上位20%を合格させるというのはまだ公平じゃが、地域別で合格率を調整するというのはどうなんじゃ?あれだけ公平性が大事とかいうとったじゃろ。
そもそも上位20%合格というのも、年度別で見れば公平性は崩れてますよね。元々国家試験は合格基準に公平であるべきという発想が少し間違っていたのかもしれません。
それじゃ何か?女性の高い合格率も若者の高い合格率も、恣意的な得点調整だというのか?
いやそこまでは言いませんし、仮にもしそうだったとしても悪いことだとは思いません。中小企業診断士に求められる機能を考えれば、地方、女性、若手が増えた方が国全体の活力増加に繋がりますから。
そうか、男女雇用機会均等法で学習したぞ。ポジティブアクションというやつじゃ!
その言い方だとトゲがないですね。それにこれを見てください。
社労士 35.7%
行政書士 23.3%
司法書士 22.5%
医師 21.9%
弁護士 18.3%
税理士 14.4%
会計士 13.7%
建築士 13.8%
診断士 7%
ウホッ。診断士は男ばっかりじゃね。
ちなみに日本の経営者の92%が男性です。この辺りと相関があるのかもしれません。
これからの世界は、力はロボに、計算処理はAIに取って代わるんじゃから、女性のコミュニケーション能力、共感力や発想力の必要性は高まると思うぞ。
確かに。ただ起業のアントレプレナーシップに伴うリスク志向についてはまだ男性が強いかもしれませんね。
とはいえ若い、地方の、女性の診断士にはどんどん活躍して欲しいですね!
年寄りで、首都圏の、男性のワシは一体…。